11 南里章二著『全世界紀行』−民族と歴史、そして冒険− ナカニシヤ出版 (2003
     定価2700


  

著者南里章二(1948− )は甲南高校、甲南大学理学部(物理学科 1970)を経て大学院
 修士課程修了(応用社会学専攻
1972)。甲南高校教諭(世界史)。図書館長も務める。
   中学、高校、大学10年間にわたる山岳部での経験を原点として、ヒマラヤ遠征、サハラ砂
 漠の横断、アマゾンの河下り、と
30年間にわたり冒険旅行を続け、遂には世界全独立国192
 ヶ国に足跡を残した。 ヒマラヤ遠征の他はほとんどが単独行動で、半端な旅ではない。現
 地人や行きずりの旅行者との交流、或いは旅行手段確保のための困難な交渉などが随所で興
 味深く語られている。 

  本書は460頁に及ぶ大冊だが、ほぼ書き下ろしで、単なる旅行記に留まらず、“世界を知
 って教えたい”と
いう動機付けのもと、世界史で教鞭をとる著者ならではの優れた調査報告
 であり、訪問国の歴史とその民族性がわかり易く解説されている。 第三章の「インドのな
 かのチベット―ザンスカール調査と踏査」は、著者が隊長を務めた甲南山岳会の第一次
 キシュトワール遠征(
1977年)の現地解散後に松本好博(昭和52年卒)と行を共にした
 ラダック・ザンスカール地方の踏査行を中心にまとめられている。

  
本HPのアイコン「個人投稿集」の“垂直と水平の旅人”を参照されたい

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