12 中井久夫著『日時計の影』みすず書店(2008年)定価3000

  

  多くの多岐にわたる著作があり、著作集も刊行されている精神医学者にしてギリシャ詩の
訳業でも知られているという中井久夫(新制高校昭和27年卒・神戸大学名誉教授・平成9
~16年甲南大学教授)の著書も取り上げたかったが、登山や旅行に関するものが見当たら
ず、山の話の載った標題の最近のエッセー集一冊をとりあげた。本著には著者の甲南高校山
岳部員時代の山行きが綴られた「山岳寮」
No.62 (2007)初出の「敗戦直後の山岳部北ア
ルプス行き」が収録されている。当時の世相、学制改革、戦後復活した山岳部、高校生の涸
沢合宿など興味深い。

  なお、伊藤文三先輩に相談したら山とは関係ないが下記を推薦されたの書名のみ紹介しておく。
「精神科医がものを書くとき」(I)(II)広英社
「アリアドネからの糸」みすず書房
「記憶の肖像」みすず書房
「家族の深淵」みすず書房
「清陰星雨」みすず書房
「治療文化論」岩波書店 これにはあとがきに一箇所著者が山岳部出身者であることを語るくだりがある。

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